タカン クアン
職種:児童発達支援ワーカー
所属:「ゼノ」やまびこ学園児童部
入職:2021年4月
日本を選び 福祉を選ぶ
僕はベトナムのダクラク省出身です。
ホーチミンからバスで5時間ぐらい。コーヒー産業が世界でも有名な場所です。
2019年10月に日本に来ました。
その後、縁あって「ゼノ」少年牧場に来ました。
元々は香川県の日本語学校に通いながら、老人ホームで介護のアルバイトをしていました。
働くうちに、もう少し介護の仕事を深く知りたいという興味が出てきました。
しばらくして「ゼノ」の国際事業部で働くベトナム人の知り合いから「ゼノ」のことを教えてもらって次の興味が出てきました。
老人ホームでの介護の仕事もやりがいはあったけれど、「ゼノ」では小さな子どもから大人まで幅広い人をケアできると聞いたからです。
そして児童入所施設の職員として働くことになりました。
国家資格の受験と合格まで
介護福祉士という資格を得て、今は正規職員として働いています。
これまでは特定技能という在留資格で契約職員として働いていました。
自分にとって、とても難しいと感じる試験を受けて合格した時は嬉しかった。
試験では、日本語の問題をたくさん読むのが本当に、本当に大変でした。
読んで、理解して、答えを選ぶのにとても時間がかかった!
はじめは日本語学校で日本語を勉強していたけど、今は毎日が日本語の勉強。
僕が作ったプリント(おたよりや掲示物)を日本人の先輩に見せて「おかしい日本語ないですか?これであってる?」と確認します。わからない言葉があれば質問して確認して覚える。この連続です。同じ職場で働くベトナム人同士で助け合うことはもちろんです。
子どもとの関わりが楽しくてしょうがない
僕は外で子どもたちと一緒に体を動かして遊ぶのが好きです。でもそれは僕だけじゃなくて、子どもたちもそうだと思う。
この前、ある利用者さんの男の子が僕に話してくれたことがあります。
よくボール遊びをしたり、虫を捕まえたり外遊びを一緒にして過ごすことが多い小学生の男の子です。
朝起こした時に「クアンさんが夢に出できたよ」と夢の話をしてくれました。
一緒に遊んでいるだけの自分なのに、子どもさんが(僕を)思ってくれて夜に夢に出てくるのかって。その言葉を聞いてとても嬉しい気持ちになりました。
他にもあります。まだ5歳とか6歳の子がその頃はトイレを上手にできなかった。
だけど1年、2年経って、ちょっとずつできるようになって。今はもう上手にできるようになって。一人でも全部できるようになって。その子の成長を見ていると、自分はとても幸せな気持ちになる。ずっと支援で関わりたい、この仕事をずっとしたいという気持ちになります。そんな経験をたくさんしています。
障がい分野で働くということ
日本に来て2024年で5年目です。障がいを持つ人と関わることは初めてだった時と今も変わらないことがあります。
どうやってコミュニケーションを取ろうかと考えて工夫をすることです。
相手は自分の伝えたいことがわからないかもしれない、自分も相手のことを理解したいけどどれだけ理解できているかわからない。
先輩の様子を見てお手本にして、ちょっとずつコミュニケーションが取れるようになっていく。相手の好きなことなんだろう? 嫌なことはなんだろう?
一生懸命考えます。
日本語はゼロから理解して今もその途中だけど、利用者さんを理解しようと思ったらいつも誰でもゼロから始まるからね。
そして、利用者さんの支援計画に沿って支援することもしっかり覚えたい。
正規職員になると利用者さんを担当するし。モニタリングもするし。
あ~~自分の力はまだまだ足りないね。
でも、足りないからチャレンジしたい。次の日本語の能力試験にも合格します!