「ゼノ」少年牧場について
わたしたち社会福祉法人「ゼノ」少年牧場は、1962年、創始者故ゼノ・ゼブロフスキー修道士の「障がいのある子どもたちの楽園をつくりたい」の願いのもと、広島県の沼隈にて産声をあげました。ゼノ修道士の「人間是れみな同じ」の精神に共感してくださった多くの人たちのご支援により開設したわたしたち「ゼノ」少年牧場は、現在、福山市沼隈町、福山市神辺町、岡山県井原市、の3つのエリアにて、知的障がいのある人、乳幼児、児童といった人たちへ多数の福祉サービス事業を展開しています。現在の日本では、超少子高齢化による人口減少、自然災害による復興活動など様々な社会情勢の変化があります。この課題に対して、わたしたち「ゼノ」少年牧場は、福祉を必要とする利用者・家族の皆様、スタッフ、そして地域社会のために、迅速に対応していきたいと考えています。
理念
明日を信じ限りなき前進をしよう
理事長挨拶
理事長:寳子丸 周吾
(ほうしまる しゅうご)
少子高齢化と人口減少、人財の不足が叫ばれる中で10人の新しい仲間を迎え入れることができました。まずは、新たな大志と希望を胸に抱いて参集してくれた仲間たちに対し、感謝したいと思います。
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスという見えない脅威と闘う日々が続いています。ワクチン接種が始まり、少しずつ光が見え始めましたが正常な日常を取り戻すのは、まだまだ先になるようで・・、今しばらく気を抜かず利用者さんの命と健康を守れるように頑張っていきたいと思います。
昨年度は、感染症対策に追われ計画していた行事や研修等への参加ができませんでした。計画を変更しながら、少しでも利用者さんが楽しめるように工夫を凝らして踏ん張ってくれた全ての現場の職員に感謝したいと思います。研修や会議においては、オンラインで参加することが定着してきました。新型コロナウイルスとの闘いで、デジタルな世界が急速に進み、社会のあり方が大きく変化してきました。
SDGs宣言
創立60周年を2022年に迎える「ゼノ」少年牧場は、新たな挑戦としてSDGsに取り組むことを宣言します。
SDGs (エスディージーズ)とは、2015年に採択された2016年~2030年の15年間において世界の193か国において、持続可能な社会の実現に向けた17の目標を掲げた取り組みの略称です。この取り組みは、国際的に2016年から取り組みが始まっており、教育・経済・政治の分野においては、ごく当たり前に定着し始めた取り組みの一つです。
しかしながら社会福祉の分野においては、まだまだ浸透しておらず取り組みが一段も二段も遅れているのが現状です。
SDGsは「誰一人取り残さない」という基本的なコンセプトを掲げており、この人類全体に関わる高い理想は、社会福祉に関わる全てのものが意識をして取り組む必要のある課題であると感じています。2021年度に掲げる「ゼノ」少年牧場の事業計画は、SDGsで国際的に使用されるロゴを示しながら、重点課題を示しました。
目の前の一人ひとりに手を差し伸べることのできる職員集団として最善を尽くします。
地域における公益的な取組みをとおして地域共生社会の実現に向けて取り組みます。
職員にとって働きやすい環境を整えることで持続可能な児童福祉・障がい福祉の実現に向けて努力します。
行政や他団体と協力しグローバルな視点に立ち持続可能な地域社会の実現に向けて努力します。
地域における貧困で苦しむ人たちに目を背けず持続可能な地域社会の実現に向けて取り組みます。
冒頭の挨拶で触れている新しい仲間10人の中に、ベトナム出身の青年がいます。日本の福祉の世界で働くことに挑戦し、介護分野における特定技能1号の試験に合格し、「ゼノ」少年牧場で働くことを決意してくれました。これは、2019年度に発足させた国際事業部での取り組みが少しずつ成果を上げたものになります。新型コロナウイルスの影響で様々な活動が制限される中でも、持続可能な社会の実現に向けて歩み続けたいと思います。
2021年度も利用者・職員一同頑張ってまいります。皆様の温かいご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申しあげます。